形態形成シグナル研究チーム|理化学研究所 生命機能科学研究センター(BDR)

形態形成シグナル研究チーム

チームリーダー

林 茂生Ph.D.

細胞と器官の形態形成機

研究内容

発生における組織の形態形成のしくみをキイロショウジョウバエをモデル系として、以下の二つの領域で研究しています。1)上皮組織の形成メカニズム。管状上皮の呼吸器系である気管系の発生を研究しています。上皮の陥入運動と気管枝の遊走および管の形状決定において細胞骨格と細胞外マトリクスは果たす役割と、組織全体が協調するしくみについて分子遺伝学、ライブイメージング、および定量解析を駆使して追求しています。2)単一細胞の形態形成。細胞内の骨格、膜輸送系、シグナル伝達系が細胞種に特有なかたちを規定するしくみを感覚細胞の形態形成をテーマにして研究します。

発生中のショウジョウバエ胚。気管原基をマゼンタ、細胞の輪郭を緑で示す。

上皮の陥入の断面像。気管前駆細胞(緑)が表面(上)から内部(下)の落ち込んでいく様子。細胞の境界をマゼンダで示している。

野生型胚の気管.管腔は細胞外マトリクス(マゼンタ)で満たされ、アピカル細胞膜(シアン)に接している。基底膜(緑)が前後軸に沿って並行に配列し、細胞核(青)も均一に分布しているため、細胞の分布と高さはほぼ均一と考えられる。管腔の直径は均一である。

発生中の機械感覚毛。先端部(マゼンタ)にあるシグナルセンターの働きでアクチン繊維の束(緑)を発達させつつ約400ミクロンまで伸長する一個の細胞である。

研究テーマ

  • 上皮形成における細胞ダイナミクス
  • 単一細胞における細胞内と細胞外のパターン形成

主要論文

  • Ogura Y, Wen F, Sami Llano MM, et al.
    A Switch-like Activation Relay of EGFR-ERK Signaling Regulates a Wave of Cellular Contractility For Epithelial Invagination
    Developmental Cell 2018 doi: 10.1016/j.devcel.2018.06.004
  • Miao G and Hayashi S.
    Escargot controls the sequential specification of two tracheal tip cell types by suppressing FGF signaling in Drosophila.
    Development 143. 4261–4271 (2016) doi :10.1242/dev.133322
  • Otani T, Ogura Y, Misaki K, et al.
    IKKepsilon inhibits PKC to promote Fascin-dependent actin bundling.
    Development 143. 3806–3816 (2016) doi:10.1242/dev.138495
  • Kato K, Dong Bo, Wada H, et al.
    Microtubule-dependent balanced cell contraction and luminal-matrix modification accelerate epithelial tube fusion.
    Nature Communications 7. 11141 (2016) doi:10.1038/ncomms11141
  • Hannezo E, Dong B, Recho P, et al.
    A cortical instability drives periodic supracellular actin pattern formation in epithelial tubes. Proceedings of National Academy of Sciences of the United States of America 112. 8620–8625 (2015) doi: 10.1073/pnas.1504762112
  • Dong B, Kakihara K, Otani T, et al.
    Rab9 and retromer regulate retrograde trafficking of luminal protein required for epithelial tube length control.
    Nature Communications 4. 1358 (2013) doi:10.1038/ncomms2347
  • Kondo T and Hayashi S.
    Mitotic cell rounding accelerates epithelial invagination.
    Nature 494. 125–129 (2013) doi:10.1038/nature11792

業績一覧

研究者 Q & A

Q研究の道を選んだきっかけは何ですか?

教えられる事だけには満足できなかったので、発見の道を選びました。

Q研究をする上での方針や哲学、座右の銘は何ですか?

Chance favors the prepared mind.

Q研究以外の興味や趣味はありますか?

研究以外の世界を知ることが研究をよりよく知る秘訣だと思います。私は登山と登攀から生きる術を学びました。

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