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新しい仲間!ソメワケササクレヤモリ

2018年5月18日

ソメワケササクレヤモリってどんな生き物?

大きな目とまるい指を持つソメワケササクレヤモリは、アフリカ大陸の南東にあるマダガスカル島の固有種です。ヤモリ科のは虫類で、体長は15cmくらいです。このソメワケササクレヤモリ、研究するのにぴったりな特ちょうがいくつかあります。まず、飼うのがかんたんなこと。それから、一年中たまごを産んで増えること。そして産まれたたまごがじょうぶなからにおおわれていて、あつかいやすいことです。

なんでヤモリの研究をするの?

せきつい動物(背骨のある動物)のうち、かわいた陸の上で暮らしているのは、は虫類と鳥類とほ乳類。これらは約3億年前に同じ祖先から別れた仲間だと考えられています。そして空を飛んだり、こうらをもっていたり、二本足で歩いたり、あるいは水中の暮らしにもどったり。とても長い時間をかけていろいろな姿に進化をとげてきました。それぞれの生き物がなんで他の生き物とこんなにちがうのかを知るために、あるいは、こんなに形はちがっているけれど共通している仕組みを知るために、研究者はいろいろな生き物をくわしく比べてみることで、そのなぞを解決しようとしています。今まで、ほ乳類では主にハツカネズミを、鳥類では主にニワトリを使ってたくさんの発見がされてきましたが、は虫類に注目した実験は盛んではありませんでした。なぜなら、実験しやすいは虫類が知られていなかったからです。そこで、原博士たちは、このソメワケササクレヤモリを研究で使うことができるように準備をしてきました。

研究で使うために必要なことってなに?

研究者が生き物を比べてみるときには、羽があるとかうろこがあるとか、目で見て分かる特ちょうだけを比べるのではありません。目で見て分かる特ちょうを作る仕組みや設計図を比べてみることもあります。見た目は大きくちがっていても設計図はよく似ている、なんてことはよくあることなのです。地球上のあらゆる生き物の設計図はDNAという分子に書きこまれて、細胞の中に保存されています。だから、生き物を比べる研究をするときには、DNAの情報がとても大切です。そこで原博士たちは、ソメワケササクレヤモリのDNAがもつ全ての情報(ゲノム)を解読し、コンピューターの中に情報を整理してデータベースを作りました。そして、このデータベースをインターネット上に公開し、世界中の研究者が自由に使うことができるようにしました。

これからヤモリは研究で使われていくのかな?

わたしたちの研究所では、ソメワケササクレヤモリを何世代にもわたって飼っていて、実験に必要とする研究者に提供できる体制を整えています。すでに世界中の様々な生物学の研究者から興味があるという声が上がっています。今後、ソメワケササクレヤモリを使った研究でさまざまなぞが解けるようになることを期待しています。

ソメワケササクレヤモリの赤ちゃん(左)とおとな(右)
原 雄一郎博士

手のひらに乗るほどの小さいヤモリですが、 生物学の様々な研究を支える大きな力になろうとしています。

関連リンク

爬虫類ソメワケササクレヤモリの全ゲノム解読(2018年4月16日プレスリリース)

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