細胞外環境研究チーム|理化学研究所 生命機能科学研究センター(BDR)

細胞外環境研究チーム

チームリーダー

藤原 裕展Ph.D.

細胞外環境による皮膚器官の形成・維持機構の理解

研究内容

生体内の細胞は、様々な成分からなる細胞固有の環境「細胞外微小環境」に取り囲まれています。細胞外微小環境から発生するシグナルは、細胞の分化運命や動態を厳密にコントロールするため、器官形成における決定的な制御因子となります。当研究室では、皮膚の発生と再生過程で、個々の細胞の微小環境が細胞ごとに最適化されるしくみと、最適化された微小環境が個々の細胞及び細胞集団の運命や動態、細胞間のコミュニケーション、そして器官形成を制御するしくみの解明を目指しています。特に、1) 細胞外微小環境の主要因子である細胞外マトリックスと、2) 皮膚幹細胞の微小環境に着目し、これらが複雑な器官の形成にどのように寄与しているのかを研究しています。本研究から得られる成果は、器官形成の原理の理解のみならず、失われた組織の再生や再構成を達成するためにも役立つと期待しています。

マウス皮膚ホールマウント染色法を用い、立毛筋が毛包幹細胞ニッチに結合する様子を可視化した。平滑筋マーカーα-smooth muscle actin(赤)とSM22α(緑)の染色により、立毛筋が、DAPI(青)により細胞核が可視化されている。

マウス表皮幹細胞と基底膜。基底膜は組織と組織を区切る薄いシート状の細胞外マトリックスである。多くの組織の幹細胞は、組織の境界に位置し、基底膜に接着しながら周囲の細胞とクロストークしている。

幹細胞−ニッチ細胞間の相互作用のインターフェースとして機能する基底膜。基底膜の分子構成は時空間的に特殊化されることが知られている。

研究テーマ

  • 皮膚幹細胞の誘導と維持を制御する細胞外微小環境の理解
  • 細胞外マトリックスの多様性による皮膚器官形成の制御機構

主要論文

  • Cheng CC, Tsutsui K, Taguchi T, et al.
    Hair follicle epidermal stem cells define a niche for tactile sensation.
    eLife (2018) doi: 10.7554/eLife.38883
  • Donati G, Proserpio V, Lichtenberger B M, et al.
    Epidermal Wnt/beta-catenin signaling regulates adipocyte differentiation via secretion of adipogenic factors.
    Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 111. E1501–9 (2014) doi:10.1073/pnas.1312880111
  • Fujiwara H, Ferreira M, Donati G, et al.
    The basement membrane of hair follicle stem cells is a muscle cell niche.
    Cell 144. 577–89 (2011) doi:10.1016/j.cell.2011.01.014
  • Watt F M and Fujiwara H.
    Cell-extracellular matrix interactions in normal and diseased skin.
    Cold Spring Harbor Perspectives in Biology 3(4). a005124 (2011) doi:10.1101/cshperspect.a005124
  • Ferreira M, Fujiwara H, Morita K and Watt F M.
    An activating beta1 integrin mutation increases the conversion of benign to malignant skin tumors.
    Cancer Research 69.1334–42 (2009) doi:10.1158/0008-5472.CAN-08-3051
  • Fujiwara H, Hayashi Y, Sanzen N, et al.
    Regulation of mesodermal differentiation of mouse embryonic stem cells by basement membranes.
    Journal of Biological Chemistry 282. 29701–11 (2007) doi:10.1074/jbc.M611452200
  • Fujiwara H, Gu J and Sekiguchi K.
    Rac regulates integrin-mediated endothelial cell adhesion and migration on laminin-8.
    Experimental Cell Research 292. 67–77 (2004) doi:10.1016/j.yexcr.2003.08.010

研究者 Q & A

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大学卒業研究のおもしろさ+就職活動の失敗(その他もろもろ)

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細胞外マトリックスの真の役割

Q研究をする上での方針や哲学、座右の銘は何ですか?

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