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竹市雅俊チームリーダーがガードナー国際賞を受賞

2020年3月31日

竹市雅俊(左から3人目)と研究室メンバー

竹市雅俊チームリーダー( 高次構造形成研究チーム)が、世界の4人の科学者らとともに2020年のガードナ一国際賞(The Canada Gairdner International Awards)を受賞することが発表されました。同賞は、医学研究分野において著しい功績が認められた科学者に与えられる賞です。竹市チームリーダーはドイツ・マックス・プランク研究所のRolf Kemler 博士とともに、動物細胞の細胞接着とシグナル伝達を担うタンパク質カドヘリンおよび結合タンパク質の発見とその分子メカニズムの解明の業績により受賞します。授賞式は2020年10月22日(現地時間)にカナダで行われる予定です。

受賞者プロフィール

竹市 雅俊 (たけいち まさとし)

京都大学理学博士
京都大学名誉教授
名古屋大学特別教授
理化学研究所BDRチームリーダー(2020年3月まで)
理化学研究所BDR客員主管研究員(2020年4月より)
理化学研究所名誉研究員(2020年4月より)

1943年、愛知県生まれ。名古屋大学理学部、同大学院理学研究科を経て、1970年京都大学理学部助手、1986年同教授。2000年より理化学研究所発生・再生科学総合研究センターセンター長(〜2014年)、同多細胞システム形成研究センターチームリーダー(〜2018年)、同生命機能科学研究センターチームリーダー(〜2020年3月)。

受賞理由となった研究について

動物は多数の細胞で構成されています。竹市氏は、細胞が集まって秩序だった組織や臓器を形成する過程での細胞間接着現象に着目し、その鍵となるタンパク質を発見、カドヘリンと名付けました。カドへリンは細胞の表面に存在し、カドヘリンどうしの結合を介して細胞は接着します。カドヘリンがなくなると、細胞間の接着が弱まり、組織構造が維持できなくなります。竹市博士はさらに、異なる種類の細胞は、異なる種類のカドヘリンを発現していることを見出しました。発生の過程において同じカドヘリンを持つ細胞が集まり、他の細胞から選別されることは、秩序だった形態形成を成立させる重要な仕組みの一つです。

カドヘリンがどのように細胞接着を担っているかの分子メカニズムの研究から、細胞外でのカドヘリン間の結合はカルシウム依存的であること、細胞内ではカテニン、アクチンなどが結合を安定化していることなどを解明しました。また、脳の神経回路形成に重要なシナプス結合にも、カドヘリンが関与することを明らかにしました。カドヘリンの発見は、動物がどのように多細胞体制を成り立たせているのかという基本的な問いに対して、分子レベルでの詳細な解析を可能にしました。カドヘリンの機能異常は一部のがんの原因となることが分かっており、がんの浸潤・転移等の医学的問題の解決にも役立つことが期待されています。

受賞者のコメント

Canada Gairdner International Awardを旧知の尊敬する科学者たちと共に受賞することになり、大きな喜びを感じております。奇しくも受賞の発表が私の研究室の最終日と重なりました。この日に至るまで研究を支えて下さいました皆様、とくに研究の実質的な担い手であった大学院生、研究員、研究室スタッフに深く感謝し、栄誉を分かち合いたいと思います。私たちの発見が、生命の神秘のさらなる解明のために、また、私たちが生きていくことのために、何らかの形でお役に立つことができれば幸いです。

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